WORKS

1999FISHBOX 魚箱

STORY

涼子はいつもぼんやりとしている女の子。友人はそんな涼子を「鯰」みたいとからかう。涼子はせわしなく暮らすサラリーマンの潤と知り合うことに。潤は自分のことを「じっとしてたら死んでしまう、鮫みたいなもんや」と評する。2人は「鯨」の腹の中を思わす薄暗いBARでデートをする。深まりそうで深まらない2人の関係。ある日2人は行きずりのミュージシャンよりカプセル薬をもらう。2人が口にすると「鯉のぼり」のような光が目の前に流れて。

ゆらゆらと揺れる男女の心模様を、「魚偏」の付く漢字にちなんだエピソードで綴る。深海を思わせるモノクロの世界。バンジョー奏者である宮村群時の音楽が切ない。

FISHBOX
Ryoko is often absentminded. Her friends tease her and associate ‘a catfish’ with such character. Ryoko meets Jun who is an office worker putting himself in busy life. Jun says “I am like ‘a shark’ that would die without moving.” They have a date at a darkened bar which seems like inside ‘a whale’s stomach.’ Their relationship is likely to get close but not to get close. One day a passing musician gives them capsules. When they drink it, a light like ‘a carp streamer’ comes to bright... This film describes wavering mind of a couple with some episodes associated with various Chinese characters which have ‘fish’ partly. It is in the monochrome world which seems like under the deep sea. The music by Gunji Miyamura, who is a banjo player, pierces our heart.

VTR / 4:3 / 65 minutes

STAFF

脚本・撮影・編集 /
横田丈実
録音 /
藤田和延
音楽 /
宮村群時
出演 /
早川友子・今中黎明・村井千恵・前畑陽平・黒川真圭・向田倫子 安藤八主博(ザ・たこさん)・山口しんじ(ザ・たこさん)中野隆広・ヤスノブ 十一十三・内藤和也・江崎光直

GRAPHICS

  • フライヤー

DIRECTOR'S NOTE DIRECTOR'S NOTE

ラブストーリーです。と言っても熱愛ではなく、何となく男女が惹かれ合う、だけどやっぱり冷めてるような。浮遊するような感じを狙いました。

全体としてひとつの物語なのですが、10個のエピソードに分割されています。各章に魚偏のついた漢字が当てられていて、「鯰」「鮫」とか、それにちなんだ内容になっています。「鯨」の章では、「鯨の腹のなか」のようなBARを作ることに。そこで男女がデートをするわけです。スナックをお借りして、店内を紙で包み込んで、後ろから照明を当ててみました。もやった感じが欲しいので発煙筒を焚いてみたり。

撮影方法は前作の「100」と同じで、カット割りをせずに、ひとつの場面を繰り返し演じてもらい、角度を変えて撮影するというもの。「100」は3分の作品だったので簡単だったのですが、この作品は60分余りありますのでとにかく時間がかかりました。 ビデオによる撮影。カメラは私が担当しています。

このころ私は「セルフキートン」という劇団で脚本演出をしていました。「セルフキートン」はいわゆる「小劇場」系の劇団。劇団同志の付き合いもあって、色んな役者との出会いがありました。魅力的な人間が多かったですね。事務所に所属している訳でもなかったので、気軽に映画に参加してもらえました。

「小劇場」系の役者以外にも、ロックバンド「ザ・たこさん」の安藤八主博くん、山口しんじくんも登場します。名曲「五月のサバ」はこの映画のために作ってくれた曲なんですよ。ちょっとした自慢です。

「FISHBOX 魚箱」は当時の私の付き合いが詰まった作品ですね。